相続税は取得費加算の特例により節税できる!併用可能な特例も解説

2023-05-02

相続税は取得費加算の特例により節税できる!併用可能な特例も解説

この記事のハイライト
●相続開始から3年10か月以内に売却しないと取得費加算の特例を利用できなくなる
●遺贈によって財産を取得しても法人の場合は特例を利用できないため注意が必要
●取得費加算の特例とほかの制度を併用すると税負担を大きく軽減できる

不動産を売却すると、利益に対して譲渡所得税がかかります。
不動産は高額なため税負担も大きくなりがちですが、相続によって取得した不動産の売却では「取得費加算の特例」を利用すると節税が可能です。
そこで今回は、取得費加算の特例について、特例の内容や併用可能な制度などを解説します。
岡山県岡山市で不動産を相続する予定のある方は、ぜひ参考になさってください。

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相続税を納めた方が利用できる「取得費加算の特例」とは?

相続税を納めた方が利用できる「取得費加算の特例」とは?

まずは、取得費加算の特例について、概要や適用要件を解説します。

取得費加算の特例とは

取得費加算の特例とは、相続した財産を売却して得た利益を計算する際に、相続税額のうち一定金額を取得費に加算できる制度です。
不動産売却により得た利益は譲渡所得と言い、譲渡所得税(住民税・所得税)が課されます。
譲渡所得税は、譲渡所得から譲渡費用や取得費を差し引き、税率を掛けて計算します。
そのため、取得費が増えるほど譲渡所得が減り、節税に繋がるのです。
たとえば、2億円の財産を相続して5,000万円の相続税を支払い、1億円分の財産を売却するとしましょう。
この場合、支払った相続税の2分の1にあたる金額(2,500万円)を取得費に加算することができます。

特例を利用するための要件

取得費加算の特例を利用するには、以下の要件を満たす必要があります。
相続や遺贈によって財産を取得していること
この特例の適用対象は、被相続人から相続や遺贈によって取得した財産です。
遺贈とは、遺言書の指定によって財産を無償で引き継ぐことで、相続人以外の方も財産を相続できます。
遺贈によって財産を取得した場合も、ほかの要件を満たせば、取得費加算の特例を適用することが可能です。
財産の取得者に相続税が課税されていること
取得費加算の特例は、納めた相続税額のうち一定金額を取得費に加算できるという制度です。
そのため適用対象であっても、相続税を納めていなければ特例は利用できません。
相続開始から3年10か月以内に売却していること
特例を利用するには、相続税の申告期限の翌日から3年を経過する日までに財産を売却しなければなりません。
相続税の申告期限は相続開始日の翌日から10か月以内なので、相続開始の翌日から3年10か月以内に売却する必要があります。
期限内に売却できないと特例を利用できなくなるため、売却手続きは早めにおこないましょう。

取得費に加算できる相続税額の計算式

取得費に加算できる相続税額は、以下の計算式で求められます。
取得費に加算できる相続税額=相続税額×不動産の課税価格/(相続した全体の課税価格+債務控除額)
課税価格とは、課税対象となる固定資産の価格を指します。
債務控除額は、相続により取得した財産から、被相続人の借金や未払金といった債務を差し引いたあとの金額です。
以下の条件では、どのくらい取得費に加算できるのかを計算してみましょう。

  • 支払った相続税額:5,000万円
  • 相続した財産:不動産 1億円・現金 5,000万円
  • 債務控除:なし

上記の数字を計算式に当てはめると、以下のようになります。
5,000万円×1億円/(1億5,000万円+0円)=3,333万円
つまり、このケースでは、3,333万円を取得費に加算することが可能です。

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相続税における取得費加算の特例が適用できないケース

相続税における取得費加算の特例が適用できないケース

取得費加算の特例が適用できないケースもあるため注意が必要です。
ここからは、特例の適用対象外となるケースを解説します。

財産が贈与によって取得したものであるとき

被相続人が生前に贈与した財産については、特例を利用することはできません。
この特例は、相続や遺贈で財産を取得した際にかかる税金の負担を抑えるためのものだからです。
ただし、贈与された財産が相続時精算課税や3年内加算制度により相続税の課税対象となった際は、特例を利用できる可能性があります。
相続時精算課税とは、贈与時に2,500万まで非課税にする代わりに、相続の際は贈与した財産も足し戻して相続税を課税するという制度です。
一方で3年内加算制度は、被相続人が亡くなる前の3年以内におこなわれた贈与はなかったものとみなされ、相続税の課税対象となる制度です。
いずれの制度も国税庁のホームページに詳細が記載されているため、事前に確認しておくと良いでしょう。

夫婦間の相続であるとき

夫婦間でおこなわれる相続では、特例を利用できないことがあります。
配偶者の税額軽減といって、配偶者に相続した財産のうち1億6,000万円まで、または配偶者の法定相続分相当額まで非課税になる制度があるためです。
配偶者の税額軽減によって相続税の支払いがない場合は、取得費加算の特例を利用することはできません。

法人が遺贈による財産を取得したとき

法人が遺贈によって財産を取得した場合は、特例を利用できません。
法人が取得した遺産を売却した場合は、所得税ではなく法人税の対象となるためです。
取得費加算の特例は、あくまで所得税の負担を軽減するものなので、法人は適用対象外となります。

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相続税における取得費加算の特例と併用できる制度とは

相続税における取得費加算の特例と併用できる制度とは

取得費加算の特例には併用できる制度があり、組み合わせることで大きな節税効果が期待できます。
損をしないためにも、事前に取得費加算の特例と併用可能な制度や控除を確認しておきましょう。

マイホームを売ったときの3,000万円特別控除

マイホームを売却したときに、所有期間の長短に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できるというものです。
たとえば、亡くなった父と一緒に住んでいた子どもが自宅を相続し、3年10か月以内に売却した場合は両方の特例を利用できる可能性があります。
条件には、ご自身が住んでいた家屋であること、2年以内にマイホームの買換えなどにかかる特例措置の適用を受けていないことが含まれます。
取得費加算の特例と併用すると税負担を大きく抑えることができるため、忘れずに利用するようにしましょう。

マイホームの買換えなどにかかる特例措置

マイホームの買い替えによって発生した譲渡所得に対する課税を、将来に繰り延べられるという制度です。
たとえば、相続した自宅を3,000万円で売却し、5,000万円で買い換えたとしましょう。
特例を利用すると、3,000万円にかかる譲渡所得税は、5,000万円で購入した新居を売却する際にまとめて支払うことになります。
取得費加算の特例を併用することで、取得費に相続税額の一部を加算することができるため、節税に繋がります。

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例とは、被相続人が住んでいた自宅を相続した際に、宅地の評価額を8割引きにするという制度です。
小規模宅地等の特例を使った土地を売却した際も、要件を満たせば取得費加算の特例を利用することができます。
ただし、賃貸不動産を相続した場合や同居親族が自宅を相続した場合は、売却のタイミングに注意が必要です。
相続開始から10か月を経過するまでに売却した場合、特例を利用できなくなってしまいます。

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まとめ

取得費加算の特例とは、相続や遺贈によって取得した不動産を売却して譲渡所得を得た場合、取得費に相続税の一部を加算できる制度です。
取得費加算の特例を適用すれば、譲渡所得を減らして支払う税金を抑えることができます。
特例を利用するには、相続開始から3年10か月以内に売却する必要があるため、売却に向けて早めに行動しましょう。
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