成年後見人が不動産売却をするには家庭裁判所の許可が必要?流れと必要書類を解説

2022-12-20

成年後見人が不動産売却をするには家庭裁判所の許可が必要?流れと必要書類を解説

この記事のハイライト
●成年後見制度には「任意後見制度」と「法定後見制度」の特徴の異なる2種類がある
●任意後見人は本人自ら選任し、法定後見人は家庭裁判所が選任する
●後見人が居住用の不動産売却をおこなう場合には、家庭裁判所の許可を得なくてはならない

認知症などにより所有者本人の判断能力が不十分な場合には、成年後見人が本人の代理として不動産売却をおこなうことができます。
ただし、売却する不動産が本人の居住用であれば、家庭裁判所の許可を得るなど、通常の不動産売却と流れが異なるため注意が必要です。
今回は、岡山県岡山市周辺で不動産売却をご検討中の方に向けて、成年後見制度を利用した不動産売却方法や申立ての手続きと必要書類について解説します。
親の将来や、ご自身の老後に備えて知識を身につけておくと安心です。

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成年後見制度とは?成年後見人による不動産売却をするために

成年後見制度とは?成年後見人による不動産売却をするために

不動産売却において、所有者本人の判断能力が不十分な場合に利用する成年後見制度ですが、そもそも成年後見制度とはどのような制度なのでしょうか。
また、成年後見人には誰がなれるのでしょうか。

成年後見制度とは

成年後見制度とは、認知症や精神的・知的な障害などによって判断能力が低下した方を保護・サポートする制度です。
判断能力が不十分である本人は適切な判断が困難なため、不動産売買や金銭の貸し借りなどの法律行為をおこなった場合に、不利益を被る危険性があります。
そこで、成年後見制度により選任された成年後見人が本人を保護するために、本人の代理として法律行為や財産管理などをおこなうのです。

任意後見制度と法定後見制度

成年後見制度には大きくわけて「任意後見制度」と「法定後見制度」の2種類の制度があります。
それぞれの特徴を把握しておきましょう。
任意後見制度とは
任意後見制度は、本人自ら後見人を選任できるという点が大きな特徴で、本人の判断能力が十分にある状態でなければ利用できない制度です。
任意後見制度は公正証書により任意後見契約を結ぶことで成立し、任意後見人には判断能力のある成人であれば基本的にどなたでもなることが可能です。
将来、判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめ信頼できる人物を任意後見人として選任し、委任する内容を決めておくことができるのです。
なお、家庭裁判所は任意後見監督人を選任し、万が一不正などがあった場合には、任意後見人の解任ができるようになっています。
法定後見制度とは
一方、法定後見制度は、すでに判断能力が低下してしまった方の法的権利を守る制度で、家庭裁判所の管理下で始まります。
万が一本人の判断能力が低下してしまった場合に、申立てにより家庭裁判所が選任した法定後見人が、本人の財産や権利を守る支援をするのです。
なお、法定後見人については、申立て時に候補者を推薦することはできますが、最終的には家庭裁判所が判断してもっとも適していると思われる人物が選任されます。

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成年後見人による不動産売却のための申立て手続きと必要書類

成年後見人による不動産売却のための申立て手続きと必要書類

認知症などにより所有者本人の判断能力が低下してしまった場合には、成年後見人が本人の代わりに売買契約などの法律行為をおこないます。
ここでは、成年後見人を選任するための成年後見申立て手続き方法や必要書類について解説します。

成年後見申立ての手続き方法

家庭裁判所へ申立てをする
成年後見制度を利用するには、まず本人の住所地を管轄する家庭裁判所で「成年後見開始審判申立」をおこないます。
申立てができるのは、本人・配偶者・4親等以内の親族のほか、市町村長や検察官など、法律で認められた方だけです。
また、申立て手続きには以下の書類が必要です。

  • 申立書
  • 申立事情説明書
  • 後見人等候補者身上書
  • 親族関係図
  • 財産目録
  • 収支予定表
  • 医師による診断書
  • 成年後見等の登記がされていないことの証明書
  • 財産や収支の裏付け資料

このほか、本人と後見人等候補者の戸籍謄本と住民票、障がい者手帳や療育手帳など本人の健康状態についての資料が必要になります。
なお、手続きをおこなう家庭裁判所によって必要書類が異なる可能性もあるため、事前に確認が必要です。
家庭裁判所により審理される
申告書が受理されると、成年後見人の選任を認めるかどうかを家庭裁判所が審理します。
審理においては、家庭裁判所の調査官が申立人や本人、後見人の候補者から事情を聞き、必要があれば医師による本人の鑑定が実施されます。
また、親族の意向や、親族同士の争いがないかなどが確認されます。
成年後見人が選任される
審理ののち、家庭裁判所が審判をだし、成年後見人を選任します。
なお、成年後見人については、必ずしも推薦した人物が後見人に選任されるとは限らないことを理解しておきましょう。
場合によっては、親族以外の弁護士や司法書士などが選任されることもあります。
また、希望した候補者が後見人に選ばれなかったといって、申請を取り下げることはできません。
申請を取り下げるには、家庭裁判所の許可が必要なので、申請は慎重におこないましょう。

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成年後見人による不動産売却方法!居住用と非居住用で異なる手順

成年後見人による不動産売却方法!居住用と非居住用で異なる手順

成年後見人による不動産売却は、売却する不動産が本人にとって居住用か非居住用かによって売却の手順が異なります。
どのような違いがあるのか、それぞれの不動産売却方法をみていきましょう。

居住用の不動産売却方法

居住用の不動産は、家庭裁判所の許可を得なくては売却できません。
なぜなら、本人の居住用不動産を売却する場合には、とくに本人保護への配慮が必要だからです。
なお、居住用の不動産には、現在居住している不動産だけではなく、将来居住する予定の不動産や、介護施設へ入居する前や医療機関に入院する前に居住していた不動産も含まれます。
居住用の不動産売却では、買主と売買契約を締結したあと、家庭裁判所へ居住用不動産処分の許可の申立てをおこないます。
申立て時の必要書類は次のとおりです。

  • 申立書
  • 売却したい居住用不動産の登記事項証明書
  • 固定資産評価証明書
  • 売買契約書(案)
  • 不動産会社が作成した査定書

家庭裁判所へ不動産売却の許可をもらうためには、これらの書類をそろえ、居住用不動産を売却しなくてはならない理由を記載する必要があります。
家庭裁判所では、提出書類と売却理由を確認し、本人にとって必要な売却なのか、売却条件に相当性があるのかなどを慎重に審査し、居住用の不動産売却を許可するか否かを判断します。
そして、本人を保護するうえで必要であると判断された場合にのみ、居住用の不動産売却の許可が下りるのです。
なお、家庭裁判所の許可が下りるまでは決済・引き渡しはできません。
当然、許可なく居住用の不動産売却をおこなった場合には、その契約は無効となるため注意が必要です。

非居住用の不動産売却方法

非居住用の不動産売却については、家庭裁判所の許可は必要なく、成年後見人の判断で不動産売却をおこなうことができます。
ただし、非居住用であっても、売却をするには必要性と相当性が求められるため簡単ではありません。
また、後見監督人が選任されている場合は、後見監督人の同意が必要です。
もし、一般的な相場価格とはかけ離れて低い価格で売却するなど、本人が不利益を被るような行為があれば、後見人の解任や売買契約の無効などの可能性もあるため注意が必要です。

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まとめ

認知症などにより判断能力が不十分な方でも、成年後見制度を利用して不動産売却をおこなうことができます。
成年後見人が居住用の不動産売却をおこなう場合には、家庭裁判所の許可を得るなど通常の不動産売却とは手続きの流れや必要書類が異なります。
売却の際には判断に迷う場合も多いと考えられるため、事前に不動産会社や家庭裁判所へ相談してみると良いでしょう。
私たち「有限会社ディライト」では、岡山県岡山市を中心に不動産売却のサポートをしています。
成年後見人による不動産売却をご検討中の方も、ぜひ弊社へご相談ください。

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